用語表が解決するのは「不統一」
字幕の用語の誤りは 2 種類あります。「この語の訳が間違っている」と「同じ語が場所によって違う訳になっている」です。前者は辞書の問題で、後者が用語表の担当です。
後者のほうがよく起こり、見つけにくいです。`Thor` が第 1 話では「ソー」、第 7 話では「トール」になっていても、各話を単独で見れば問題なく、続けて見ると新しい人物が出てきたように思えます。用語表は「この作品ではソーで統一する」を実行可能なルールにし、ファイル全体に一度に適用します。
作る価値があるのはどんなとき
すべての字幕ファイルに用語表が必要なわけではありません。作る価値があるのは通常次の場合です:
- シーズン全体 / シリーズ全体 —— 話数が多いほど前後の不統一が起きやすい。
- 固有名詞が多い —— 人名、地名、組織名、作品内の造語。
- 複数人で作業 —— 話数を分けて訳し、各人の習慣が違う。
- 他人の字幕を引き継ぐ —— 自分(または顧客)の使い方に合わせる。
- 機械翻訳の後に統一 —— 同じ語に複数の訳語が出ることがある。

シーズンを通して 1 つの表を保つ
用語表は増やしながら維持します。第 1 話で人名を決め、新しい語が出るたびに 1 行足し、シーズンが終われば表は完成です。同じシリーズの次のシーズンは、それを起点にします。
ルールは少し広めに書くほうが役立ちます。「ソー」に決めたら「トール -> ソー」も書いておけば、他人の字幕も同じ回で揃えられます。
変更後は必ず変更明細を見ます。どの項目、何行目、何から何へが 1 件ずつ並びます。正しく直せたか、直しすぎていないかを確認できる唯一の場所で、変えたくない項目はクリックで戻せます。

用語表に任せるべきでない変更
用語表が変えるのは語です。次の 3 つは担当外であり、担当外のままにすべきです:
文法と文型 —— 語を文にはできません。文単位の修正は字幕翻訳か人手に戻します。
内容のクリーニング —— 透かし広告や聴覚障害者向け情報のような行の削除は字幕クリーニングの担当です。用語表のルールは置換するもので、行を削除するものではありません。
タイムライン —— 用語表は時間に触れません。全体のずれや比率の問題はタイムライン調整へ。
間違えやすいところ
中国語で単語単位をチェックしても部分文字列で置換される —— 正常です。 中国語と日本語は空白で語を区切らないため、ツールは語の境界を判断できず、この設定は効きません。`art` が `start` に触れない保護は英語にのみ有効です。
順序が結果を変えます。 ルールは上から順に実行され、あるルールが生んだ文字は後ろのルールがもう一度見ます。先に A を B に、次に B を C にすると最終的に C になります。
訳文だけ変えるなら範囲を設定。 バイリンガルでは「2 行目のみ」を選びます。1 行だけの項目はどちらの単一行設定でも動きません。ツールはどちらが原文かを推測しません。
用語表は保存されません。 開くたびに空なので、自分でテキストファイルを保存して渡します。
関連ツールとガイド
手順の全体は字幕の用語を一括置換する使い方、内容が汚いなら先に字幕クリーニング、訳語を揃えた後に別言語へ翻訳するなら字幕翻訳、仕上げに字幕品質チェック。